【漆を掻く理由】

あけましておめでとうございます。 箕輪漆行ホームページ担当の、蓑輪信男と申します。 昨年末に中国から新味の漆が入荷し、品質等を調べましたが 今年も良さそうな漆でした。仕入れ価格は前年より30%値上がっていました。 ただ、前年に入荷した漆が例年にないほどの高品質で、 1年経過した今も匂いが良く渇きもそれほど悪くなっていないので 中国産漆の品質向上の為、毎年中国へ行き 品質の良しあしの指導に行った苦労が報われてきたようです。 また日本産の漆も入荷しましたが、仕入れるのに少し苦労しました。 というのも現在、日光東照宮の修復工事が行われているのですが 日光東照宮の修復には、日本産の漆のみを使うように国から指示があったようで 年間に採取される日本産漆の約半分を日光東照宮だけで使用しているのです。 そういう事で日本産漆の不足が懸念されておりましたが 日本産漆の産地が採取量を増産した事で、大きなパニックになりませんでした。 ちなみに樹齢10年の漆の木から200ccほどの漆が採取できるので 気長に待てる人は、漆の木を育ててみるのも面白いかもしれません