朝の一コマ

暖かな朝、深い眠りの淵、ゴーゴーと地面を這うような音でハタと目覚めた。
よろよろと窓の外を見ると、主人が除雪機で雪を飛ばしていた。
あわてて階段を駆け降り、朝食の支度をした。
 間もなく頬を上気させ汗をうっすらと額に滲ませた主人が台所に入ってきた。
「お雑煮お上がりになります?」
『有難いね』
「朝早くから有難うございます。助かります」
つと、私を見ると
『君の為じゃないよ、ななちゃんが帰って来れる様にだよ』
「そうでしたの!」
21歳になる娘が夜勤明けで高台にある自宅に帰ってくるのだ。

それにしても・・・。主人の物言いが好ましかった。