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漆マガジンバックナンバー【第十六回】
【漆と会話する】
ご無沙汰しております。箕輪漆行ホームページ担当の、蓑輪信男と申します。 急に肌寒くなってきました。漆の乾燥も遅くなり粘度が上がる季節いかがお過ごしでしょうか 漆器は、職人さんが木地を削り、下地、中塗、上塗と色々な工程を経て出来上がりますが お店に並んでいる漆器は、その時点ではまだ未完成なのです。 さて、未完成だとしたらその漆器は誰が完成させるのでしょうか? それは漆器を購入されたお客様が完成させるのです。 漆器を大事に使い育てていくことで色艶も変化し、味も出てきます。 味といっても舐めると甘くなったり、塩辛くなったり、そういう意味じゃないですよ? 漆器に付いた傷が面白みの一つになったり、剥げてきた部分が独特の模様になったり 最初はただの食器だった物がいつしか生意気に存在感をアピールしてきます。 そんな時、漆器の声が聞こえてくる気がするのです。
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